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- 信州のぶどうが美味しい理由
松本平の南側に拡がる桔梗ヶ原は、長野県を代表する葡萄の産地です。
昼夜の温度差が大きい内陸性気候の長野県では、夜間の気温低下で糖度が高まり、ぶどうの着色が良くなります。また、十分な酸味も残るのでワイン用ぶどう生育にふさわしい環境です。2013年の収穫期(9~10月)では桔梗ヶ原周辺の昼夜の温度差は10~11℃にも達しました。同時期の東京の温度差は6~7℃程度でした。(気象庁データより)
収穫期を迎える夏から秋に雨が少ないのも特徴です。雨量が多い沿岸部エリアや全国平均に比べても、松本平周辺をはじめとする長野県全体は雨量が少なめで、ワイン用ぶどう生育に適しています。2013年の桔梗ヶ原付近夏~秋(6~10月)の降水量は764mmと東京の同時期の1041mmと比較しても大幅に少ないことが分かります。(気象庁データより)
日照時間が長いことも葡萄の糖度や酸度を高めるためには大切です。春から秋にかけてのぶどう生育期に長野県は日照時間が長いので、ワイン用ぶどう生育に適しています。2013年、春~秋(4~10月)の日照時間は桔梗ヶ原付近では約1413hと同時期の東京の1196hと比較しても大幅に長いことが分かります。(気象庁データより)
塩尻市の桔梗ヶ原は火山灰の土壌で、小石混じりの礫層に火山灰が堆積しているため地下水位が低く、水はけが良好です。傾斜地と土壌の質とが相まって、水はけの良い畑を生み出しています。
ここに初めて鍬が入ったのは明治2年のこと。井戸は30メートルも掘らなければならないほど水の便は悪く、汲み上げた水は鉄分が多く、開拓者達は雨水に頼る生活の上に、厳しい冬の寒さとも闘わなければなりませんでした。それでもやがて開拓者達の努力が実り、畑作が拡がっていきました。明治中期には農村振興のための国や県の指導もあり、葡萄を中心とした果樹園地帯へと変わっていきます。当時植えられた20数種類の葡萄は淘汰され、百年の風雪に耐えて残ったのはコンコード、ナイアガラでした。この両品種は、米国マサチューセッツ州コンコード市とカナダのオンタリオ州とニューヨーク州のナイアガラの滝附近に広く栽培されている典型的なアメリカ種で、両地方の風土が桔梗ヶ原と似ていたためか、現在では我が国有数の産地になっています。
また、コンコードやナイアガラの他、メルローやシャルドネなどの欧州系葡萄の栽培も盛んになってきています。国産ワインコンクールをはじめ数多くのコンクールでも入賞を果たすなど「桔梗ヶ原」は世界的にも有名な産地になりつつあります。当社自社農園「アルプスファーム」でも欧州系葡萄栽培に積極的に取組んでおり、10種類以上の葡萄品種を栽培しています。これまで以上に美味しいワインを目指して日々努力してまいります。今後のアルプスにご期待ください。
品種について
コンコード
長野県を代表するぶどう品種。北米原産のラブラスカ種で果汁用原料として多く用いられています。
渋みの少ない軽やかでフルーティなワインが出来ます。
ナイアガラ
長野県で最も多く作られている品種。ナイアガラの滝で有名な北米原産の白葡萄です。
高貴な香りとフルーティな味わいの白ワインに最適です。
メルロー
フランスボルドー地方原産の黒ぶどう。世界各地で栽培され高品質な赤ワインが生産されています。
桔梗ヶ原は国際的にも評価が高く、今後もっとも期待される品種。
シャルドネ
フランスブルゴーニュ地方原産の白ぶどう。世界各地で栽培され高品質な白ワインが生産されています。
信州各地でも栽培面積が増えてきており、高品質な白ワインが生産されています。
ブラッククイーン
川上善辺衛氏がベイリー種とゴールデンクイーン種を交配した品種。
酸味が強く野性的な特徴を併せ持ち、長期熟成にも向く赤ワインとなります。
ソーヴィニヨンブラン
フランスボルドー地方原産の白ぶどう。世界各地で栽培され高品質な白ワインが生産されています。
信州でも栽培するワイナリーが増えてきています。
竜眼
カスピ海周辺が原産の白ぶどう。シルクロードを渡り中国~日本(信州)に伝わったといわれています。
古くから善光寺ぶどうとして親しまれ、柔らかい味わいが再評価されています。
カベルネソーヴィニヨン
フランスボルドー地方を中心に世界中で高品質な赤ワイン用葡萄品種として栽培されています。
色、香り、味わいともに濃厚なワインになります。今後、メルローと共に桔梗ヶ原でも栽培面積が増えていくと思われます。