ヴェレゾンと除葉作業

執筆者 アルプスファーム  宮田 進

(塩尻市 高出2圃場 メルロー 8月17日)

畑ではぶどうがヴェレゾン(着色期)を迎えています。緑と紫、濃紺が混在してぶどうの房はこの時期にしか見られない美しい姿を見せてくれています。こちらのメルローは50%位の色づきでしょうか。開始から2〜3週間位掛けて徐々に全体に着色していきます。今年は昨年と比べて5〜6日早くヴェレゾンが進んでいます。

(塩尻市 太田1圃場 ツヴァイゲルトレーベ 8月17日)

収穫時期の早いツヴァイゲルトレーベは着色がほぼ完了しました。

今年は裂果(実割れ)を防止する為に一部の区画で笠掛けを実施しました。

また、ぶどうが色づくと寄ってくるのがムクドリです。鳥はぶどうが美味しくなる時期を良く知っています。鳥害防止のバードネットも取り付けました。

(塩尻市 岩垂3圃場 ピノグリ 8月17日)

こちらはピノグリです。グリ=灰色という意味があり、その名の通りやや灰色がかった赤色や薄い青紫色をしています。昨年より1週間遅れできれいに色づきました。

(塩尻市 太田1圃場 シャルドネ 8月17日)

シャルドネは先日まで硬かった果粒に水が回りだいぶ柔らかくなってきています。色はまだ緑ですがこれから徐々に琥珀がかった黄色に変わり、光に透かすと中の種が見えるようになってきます。

(塩尻市 高出1圃場 シャルドネ 8月17日)

現在、リーフストリッパーを使用して除葉作業をしています。トラクターの先端に取り付けたリーフストリッパーを垣根に沿わせトラクターを走行することで房周りの葉を除去していきます。

除葉には次のようなメリットがあり、高品質なぶどうを栽培するためには欠かせない作業です。

① 黒ぶどうでは、房への日当たりが良くなる事でポリフェノール含有量が増え着色が良くなる。

② 赤ワイン品種では太陽光が当たる事でピーマン臭の原因となるイソブチルメトキシピラジンが減少する。

③ 房回りの風しが良くなり、また、防除時に房への薬剤の付着が向上するため、病気に掛かるリスクが減少する。

④ 収穫時の作業性が向上する。

(同圃場 シャルドネ 8月17日)

この機械は、スリットの入った白いローラーが回転することで葉を巻き込み、破砕して前方に排出します。

ローラーを垣根に近づけ過ぎると房を巻き込んでしまったり果粒を傷付けてしまうので、操作者は細心の注意を払って作業します。

 

(同圃場 シャルドネ 8月17日)

リーフストリッパーが通過した後は、房がフルーツラインにきれいに並んで見えるようになりました。

このマシンは導入して4年目となりますが作業効率が向上できるため、現在では無くてはならない機械となっています。

お盆も過ぎ、畑ではセミにかわりに虫の鳴き声が聞こえる様になり、トンボも散見され、時折涼しい乾いた風を感じる季節になりました。収穫まであともう少し!今年のぶどうの出来を楽しみに、ファームスタッフ一同作業に励んでいます。