開花状況と芽欠き作業~誘引作業

執筆者:アルプスファーム 征矢 匠

気象庁は、昨年より3日遅れて、6月14日に関東甲信越がに梅雨入りしたと発表しました。

当園のぶどうは順調に生育が進んでおりますが、ぶどうの開花状況は、次のとおり前年より若干遅れています。

<棚圃場の開花状況>

【塩尻市 郷原コンコード圃場 6月14日】

【同圃場 コンコード 6月14日】

コンコードは、6月7日に満開(前年6月6日)を迎え、落花後、現在は結実が進んでいます。

 

【塩尻市 BQ1圃場 6月14日】

 

【同圃場 ブラッククイーン 6月14日】

ブラッククイーンは、あと数日で開花する模様、昨年と同時期となる見込みです。

 

<垣根圃場の開花状況>

【塩尻市 太田1圃場 6月14日】

太田1圃場のバラが満開となりました。

この圃場では、白ぶどうが①シャルドネ、②ソービニヨンブランの2種類、赤ぶどうが③ツヴァイゲルトレーベ、④メルロ、⑤カベルネフラン、⑥カベルネソーヴィニヨンの4種類、計6種類のぶどうを栽培しています。その開花状況を見てみますと・・・

【同圃場、同日 シャルドネ】

① シャルドネは、6月8日に開花が始まり、前年より数日遅れて6月14日(前年は6月10日)には満開となっています。

 

【同圃場、同日 ソーヴィニヨンブラン】

② ソーヴィニヨンブランは開花していません。前年は、6月15日に開花しているので、今年は数日遅れている状況です。

 

【同圃場、同日 ツヴァイゲルトレーベ】

③ ツヴァイゲルトレーベは、前年より数日遅れ6月14日に満開(前年は6月10日)となりました。

花かすが葉の上に落下していますが、花かすが花穂に残っていると灰色かび病の要因となってしまいます。

 

【同圃場、同日 メルロ】

 ④ メルロは、開花が始まった段階です。前年より2~3日遅れています。

 

【同圃場、同日 カベルネフラン】

⑤ カベルネフランは、メルロ同様、開花が始まった段階。前年より2~3日遅れています。

 

【同圃場、同日 カベルネソーヴィニヨン】

⑥ カベルネソーヴィニヨンは、開花直前の段階。ことらも前年より数日遅れています。

 

<芽欠き作業>

【塩尻市 高出1圃場 メルロ 6月9日】

メルロの芽欠き作業をしているところです。この作業では、①養分の無駄な分散消耗を防ぐ、②特定新梢への養分集中を排除するために、余分な芽や副芽を欠き落とします。

従って、ぶどうの品質や収量を左右する大切な作業です。

【同圃場 芽欠き作業後のメルロ】

メルローはコルドン仕立てのため、主幹から出ている芽は来年の結果母子として必要な1芽を残し、あとはきれいに欠きます。

非常にすっきりした状態になりました。

 

<誘引作業>

【塩尻市 太田1圃場 カベルネフランの誘引作業 6月10日】

新梢をワイヤーに挟み込む誘引作業を行っています。

誘引作業の目的は、①一定範囲に均一に新梢を配置することで、日当たりを良くして光合成能力を高めること、及び②新梢の欠損を防ぎ樹形を維持することです。

 

【塩尻市 太田1圃場 シャルドネ 6月10日】

誘引終了後、整然とした垣根の様子です。

9月中旬から10月下旬の収穫期までに残された期間は、3~4ヵ月強です。この間、繁忙な作業が続きますが、安全な作業に心がけ良好なチームワークで、良質なぶどうが収穫できるよう栽培に注力しています。